こんにちは、なべです。
最近何かと話題の「裁量労働制」ですが、詳しくは知らないという人も多いのではないでしょうか。
僕が今働いている会社がまさにこの裁量労働制を導入していますので、今回はそのメリットやデメリットについて考えてみました。
裁量労働制とは?
裁量労働制は、わかりやすく言ってしまえば「給料にある程度の残業代が含まれている」という制度です。
この「ある程度」は会社によって異なりますが、僕が勤めている会社では月に40時間はみなし残業とされています。
そのため、月のうち40時間以内の残業には残業代が出ません。
この時間を超過した場合は、基本的に残業代が出さなければいけませんので、その辺りは通常の会社と同じですね。
ちなみに僕の会社では40時間を超えることがほぼないので、給料以外はもらっていません。(なんというホワイト)
職種はエンジニアやデザイナーが多い
僕自身ゲームエンジニアなのですが、裁量労働制はやはりゲーム業界やIT業界に多い制度です。
また、アニメ業界や美容師といったクリエイティブな業種でも広く取り入れられています。
これには様々な理由がありますが、クリエイティブな業種にかかるコストのほとんどが人件費だからというのが大きいでしょう。
ある程度の残業はみなしとして給料に含めることで人件費を減らすことができ、結果的に大幅なコストの削減が可能です。
これは時間を売って稼ぎたい人にとってはデメリットですが、じっくりものづくりをしたい人にとってはメリットとも考えられます。
裁量労働制 = ブラック企業?
「残業代が出ないなんてブラック企業だ!」という意見もちらほら見かけますが、僕はそうは思いません。
少なくとも、僕のいる会社はブラックではないですね(笑)
一口に「裁量労働制」と言っても残業時間は会社ごとにバラツキがありますし、時期によっても異なります。
また、そもそも残業代が出ないのではなく、給料に「含まれている」わけですから、そこは認識がちょっとズレていますね。
むしろ、裁量労働制でもないのに残業代が出ないというのが一番のブラック企業です。
ただ、これに関しては人によって様々な捉え方がある部分ですので、制度に関係なく自分の納得できる会社に入るのが良いですね。
裁量労働制とフレックスの違い
裁量労働制とセットで出てくるキーワードに「フレックスタイム制」(通称フレックス)があります。
この2つの違いがわかっていない人も多いようですが、これらは全く違います。
裁量労働制は「残業代がある程度給料に含まれている」制度でした。
フレックスは、「自分で働く時間や長さを決めることができる」制度です。
そう聞くと、じゃあ毎日1時間しか働かなくてもいいのかと思ってしまいますが、そんなに甘くありません(笑)
フレックスを導入している会社のほとんどが「最低労働時間」と「コアタイム」を設定しています。
最低労働時間は「月(または週や日)に最低●時間は働いてね」というものです。
例えば「週最低40時間」という設定であれば、平日5日で平均して8時間働いていればOKということになります。
また、コアタイムは「この時間だけは必ず会社にいてね」という時間のことです。
コアタイムが「10:00〜15:00」の場合、10時までに出社すればよく、15時には帰ることができます。
こういったルールの中で時間を調整することができるのが、「フレックスタイム制」です。
「裁量労働制」と「フレックス」がセットで出てくるのは、実はこの2つの制度を併用している会社が多いからなんですね。
そういった会社は「やることやってくれれば、働き方は自由で良いよ」というラフなスタンスだと言えます。
成果主義だとも言えるクリエイティブな業種には、こういった制度が向いていると思いませんか?
うちがまさにそうですが、成果物さえ出していれば、仕事中に少し漫画を読んだりゲームをしたりしても問題ありません。
ここまで極端な会社は少ないですが、自己管理できる人にとってはかなり働きやすい環境ですね。
逆にこういった環境でサボってしまう人にとっては、かなり危険な制度だとも言えます。
裁量労働制のメリット
裁量労働制のメリットはいくつかあります。
労働者目線で言えば、「働く時間の管理が緩くなる」という点です。
残業時間を細かく管理する必要がなくなるため、働き方に幅ができ、フレックス制度なども取り入れることができます。
僕ももちろん残業代が別でもらえるなら嬉しいですが、そのせいで働く時間をガチガチに管理されるのはストレスです。
また、みなし残業になっているので、多少仕事の進みが遅いときでも上司や先輩からプレッシャーをかけられません。
ちょっとこれはブラック体質っぽかったですかね(笑)
もう一点大きなメリットとして、「仕事の効率を考えるようになる」ということもあります。
そもそも別で残業代が出ないなら、早く帰りたいですよね。
そのためには仕事の効率が上がる工夫をする必要があります。
これは会社にとっても、自分の成長という面でも大きなメリットだと言えますね。
経営者から見たメリットは、やはり人件費の削減に繋がるという点です。
本来別で払っていたかもしれない残業代を給料に含めているので、忙しい時期に残業が発生しても人件費が膨らみません。
また、人件費が突然膨れ上がらないというのは、予算の計算がしやすく、経営していく上でかなりありがたいことでもあります。
裁量労働制のデメリット
裁量労働制のデメリットは、当然「残業代が別でもらえない」ということでしょう。
これに尽きると言っても過言ではありません。
働き方の自由度が上がる分、ここを多少あきらめなくてはいけないという点ですね。
裁量労働制の会社に入るかどうかは、ここに納得できるかどうかで判断してはいかがでしょうか。
結論:裁量労働制はバカな制度じゃない
僕が考える結論は、「裁量労働制はバカな制度ではない」です。
少なくとも、制度自体が悪いわけではないですよね。
もし裁量労働制の会社に入って辛い思いをしている人がいるとすれば、それは制度ではなく会社が悪いということです。
(もしくは、この制度がその人の考え方に合っていないか)
「残業バリバリしてガンガン稼ぐぜー!」という人には、裁量労働制は向きません。
ただ、残業代で稼ぐというのはもはや古い考え方になりつつあります。
その会社にいつまでも残業できるほどの仕事があるとは限りませんし、海外では「残業 = 効率の悪い人」というイメージです。
また、最近では政府が副業やダブルワークを推進しています。
これからは、仕事の効率を上げて時間を作り、その時間を副業や遊びに使うという働き方が良いでしょう。
僕にとっては裁量労働制よりも、「残業代でしか稼げない方がよっぽどリスキーでバカ」です。